美しい海の中にタコがぽつんといる印象的な装丁。
書店で目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
続編の『さみしい夜のページをめくれ』が発売されたのをきっかけに、両方読んでみました♪
『さみしい夜にはペンを持て』は、日記をテーマにした“物語仕立ての自己啓発書”です。
主人公タコジローの成長を描くストーリーを通して、自然と「書くこと」の意味に気づかされます。
自己啓発というと、苦手に思う人もいるかもしれませんが、こちらは中学生でも読みやすいような、楽しい物語になっています!
まさに、中学生というと、人間関係や将来のことで思い悩む多感な時期ですよね!
1. こんな人におすすめ!
- 日記を書いてみたくて、何度も挑戦したけどうまくいかない
- 日記に何を書けばいいかわからない
- 「自分を変えたい」と思っているけど、どうしても変われない
- 書くことを通じて、自分を受け止めたいと思っている
- 中学生や高校生、またそれくらいの子どもがいる人
2.『さみしい夜にはペンを持て』あらすじ
SNSで常時だれかとつながっている時代。
だからこそ、積極的に「ひとり」の時間をつくろう。
うみのなか中学校に通うタコジローは、学校にも居場所がなく、自分のことが大嫌い。
ある日、不思議なヤドカリおじさんと出会ったタコジローはその日から、どんどん変わっていく…
・考えるとは「答え」を出そうとすること
・その作文、嘘が混じってない?
・みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる
・考えないのって、そんなに悪いこと?
3. 日記が続かない理由に気づけた一冊だった
この本を読み終わって、一番最初に思ったことは、「日記を書きたい!!」でした。
ただ・・・日記を書こうと思ったのに、続かなかったという経験がある方も多いと思います。私も、書くことが好きなので、何度も日記を始めては続かないことを繰り返してきました。
この本を読んで、どうして日記が続かないのか、ということから考えるきっかけになりました♪
①日記に何を書いたらいいのか、そもそもわかってなかった
日記をいざ書き始めるとなると、あなたは何を書くでしょうか?
私は、その日にあった出来事を記録したり、ちょっとした感想を書いたりしていました。
気分がどん底になった時には、そのときの気持ちをとにかく書き殴っていて、あとでそれを書いた自分が嫌になって、結局ノートごと捨ててしまったこともありました。もったいない・・・。
恥ずかしすぎて残してあっても読みたくないけど・・・笑
②感想を「やばい」で済ませるクセに心当たり
何でもかんでも「やばい」という感想しか出てこない自分に気がつきました。
本当はいろんなことを感じているはずなのに、それをいざ言葉にするときについ、便利な言葉に逃げてしまっていたのでしょう。
便利な言葉に逃げていると、どんどん「自分の言葉」が出てこなくなります。
いろんな言葉を使ったり、自分の感じていることを言語化する練習をして、つい便利な言葉を使ってしまうクセを変えて行かないといけないんだな、と思いました。
日頃からボキャブラリーを増やす努力をしておくのも大切ですね♪
③書けないと楽しくないし、楽しくないから続かない
忙しい毎日を過ごす中で、日々に大きな変化がないと、書くことがないように思えてしまいますよね。
「毎日似たようなことばっかり書いているな」、今日は書くことないな・・・という気持ちになってきて、日記が書けなくなってしまいます。
書けないから、楽しくなくなり・・・楽しくないから、続かなくなってしまう。その繰り返しで、やっぱり私は日記が向いてないんだな、と落ち込んでいました。
『さみしい夜にはペンを持て』では、具体的に優しく、日記に何を書けばいいのかを教えてくれます♪
4、なぜ日記を書きたいんだろう?
そもそも、あなたはなぜ日記を書きたいのでしょうか?
私の場合は、ずっと「自分を変えたい」と思っていたからでした。私自身、メンタルがジェットコースターのように浮き沈みしたり、いろんなことに興味が移り変わってしまい、始めたことを継続できない、という悩みがあります。
メンタルを安定させて、やりたいことを続けられる自分になりたい。
だから私はずっと、「とにかく変わらなきゃ!」と焦っていました。
日記を書いていけば、いつかそんな自分を変えることができるのでは!と思っていたから、何度も日記に挑戦していたのではないかと思います。
物語を読む中で、あなたの日記を書きたい理由を探してみてください♪
5. 自分を知るって、どういうこと?“書く”ことがヒントになった
自分を変えるためには、まず、自分を知ることが必要です。
ここ数年、ストレングスファインダーやMBTIなどの性格診断が注目されていますよね。
「自分は何者なのか」「どんな人間なのか」——そんなふうに、自分を知りたいと思っている人が増えているのだと思います。
私自身も実際にいくつかの性格診断を試してみて、「すごく当たってる!」「これが私の強みなんだ」と驚きました。
でもそれをどう活かせばいいのかとなると、急に難しくなるんですよね。
「ありのままでいい」とよく言われるけど、「私のありのままとは?」そして、「ありのままの自分」を知って、それで・・・何をする??
何かを勉強するとか、本を読むとか、旅に出てみるとか、そういう行動もとてもいいことだと思うのですが、結局、自分について深く考える時間というのが必要です。
そこで、ぴったりなのが「日記」なんだな、と思いました。
6. 変わらなくてもいいと気づけた時間
そんな中でこの本が教えてくれたのは、「自分を変える」のではなく、「そのままの自分の受け止め方を変える」ことでした。
日記を書くことで、自分と向き合う時間が生まれ、行動や物事の捉え方が少しずつ変わっていく——そんな感覚があったんです。
私はずっと「継続力がない自分」が嫌いでした。
興味を持ってもすぐに飽きて続かない自分は、ダメなやつだと責めてばかり。
でも、日記に書くうちにふと、祖母との違いに気づいたんです。
祖母は何事もコツコツ続けられる人。
思いきって相談してみると、こんな答えが返ってきました。
「私はこれしかできないからやってるだけ。あなたは、いろんなことができるかもしれないって思えるから、挑戦できるんじゃない?」
その言葉にハッとしました。
「飽きっぽさ」は、裏を返せば「行動力」や「柔軟さ」でもある。
変わらなくてもいい。ただ、自分の見方を変えるだけで、気持ちがふっと軽くなったんです。
7.自分にあった日記のスタイルを見つけよう!
この本では、「日記は未来の自分に宛てた手紙」として書くものだと語られています。
つまり、日記は書いて終わりではなく、あとで“読み返すこと”も前提なんですね。
「考える → 書く → 読み返す → 自分を知る。
このプロセスを繰り返すことで、ぼんやりしていた“自分像”が少しずつ見えてくる。
何が好きで、何が苦手で、どんな価値観を大切にしているのか…。
日記は、そんな“自分を観察する時間”にもなっていきます。
ちなみに、世の中には「日記は書き捨てでOK」「読み返さなくていい」という考え方もあります。どちらが正しいというより、自分に合うスタイルを選べばいいと思います。
また日記を書く頻度についても、それぞれだと思います。
私は、日付に縛られず、書きたいときに書きたい分だけ書くタイプです。
日付で区切られた日記帳だと空白ができるのが気になってしまい、それこそ、また続かなかった・・・とテンションが下がってしまい、続かなくなるので、あえて普通のノートを使っています。
こういった自分に合ったやり方を見つけていくことも、自分と向き合った結果だと思っています。
ただ、やっぱり、日記帳に憧れはあります・・・。
3年日記とか続けてみたいなぁ・・・笑
8. まとめ|中学生の頃に出会いたかった。
でも、今出会えてよかった
「もっと若い時にこの本に出会えていたら!!」と思うくらい、素敵な本でした。
せっかく今出会えたのだから、自分のスタイルを見直すきっかけにして、これからも日記を楽しんでいきたい、と思いました。
将来、我が子が中学生になって、何かに悩んでいそうな時、続編の『さみしい夜のページをめくれ』と一緒に、そっと渡してあげたいなぁ、なんて考えています♪
あなたも、『さみしい夜にはペンを持て』を読んで、自分と向き合える日記をまた始めてみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございます♪
あなたの読書ライフがご機嫌なものになりますように!!